電車に乗っていると眠くなる理由

なぜ電車に乗っていると寝る人が多いのか

朝の通勤ラッシュ時に電車に乗っていると、かなりの高確率で座席に座って眠っている人を見かけます。
同時に夕方~夜の帰宅時にも電車に乗ると、眠そうにしている人や周囲に頭を預けるように傾けている人もいます。

朝早く起きて電車に乗ったり、会社が終わってから軽く一杯やってから帰る人が多いのだから無理もないのかなと思ってしまうところですが、電車と比較してバスで眠っている人はそれほど多くありません。

実は電車に乗っていて眠くなるのは寝不足やアルコールのせいばかりではなく、その揺れそのものが人の眠気を誘発する要因になるのです。

思い出してみれば、私達は小さな赤ちゃんを育てるときには抱っこをしたまま体を揺すったり、ゆりかごの中に入れてゆらゆらと振動を与えたりしています。

あまりにも激しい振動ではいけませんが、この抱っこやゆりかごのようなゆっくりした揺れが体に起ると、自然と眠気が誘発されるように人の生理はできているのです。
より具体的な数字でいうと、1Hz程度の低い周波数を含む揺れを感じたときに人は最も眠気を感じやすくなるのだといいます。

体に揺れを感じる時、人の脳には前庭感覚(平衡感覚)が刺激として伝えられることになるのですが、これがゆっくり単調なリズムとして伝わると脳の覚醒に関わる上行性網様体賦活系の動きが弱くなり、それが眠気のもとになります。

実は健康によくない電車での睡眠

毎日を忙しい日々を送っている人にとっては、電車で移動中の時間を使った睡眠は非常に貴重なものです。
前夜よく眠れなかった人にとっては、会社に着くまでの数十分の間だけでもなんとか睡眠時間を確保したいと思うところでしょう。

朝の電車での睡眠はきちんと目的地で降りることができれば、それ自体は悪いことではなく電車が降りる時間に合わせて気分をすっきりさせる効果があります。

最近は社内で行う昼寝の効果が見直されてきていますが、それと理屈は全く一緒で、人は睡眠が不足していると感じているときに短時間で軽く脳を休憩させる睡眠をとると、目が覚めた時に強い覚醒を得ることができるのです。

しかしこれが帰宅途中の電車となると話は全く異なってきます。
これから集中力や記憶力を使うことになる通勤時ならばともかく、既に仕事が終わりこれから体を休めようというときに数十分程度の浅い眠りをするというのはむしろ逆効果となってしまいます。

きちんと家に着くことができるならばまだよいのですが、ついつい眠りが深くなりすぎて終電を逃すようなことになってしまってはお金も体力も大幅に削られてしまいます。
電車の中で眠らないように気をつけ、自宅に帰ってからぐっすり眠る習慣をつけましょう。