人間の「左回りの習性」とは?
人は無意識に左側を見てしまう?
経済心理学などでよく聞かれることの一つに「左回りの習性」」というものがあります。
これは人は体の重要な臓器である心臓がある左側に自然に注意が向くように本能が備わっているので、お店など普段とは違った空間に入るときにはつい左側にあるものを注意して見てしまうということを利用したものです。
ですのでコンビニや大手スーパーのような場所では入り口から入ったお客さんが最初に左側に目を向けるものとして店内のレイアウトを作成し、お店全体を左側から回れるように設計をしていたりします。
言われてみればそうという感じがしますがこれは実験的な統計でも明らかになっており、一本道を歩いてきた人の目の前に急に左右に分岐が現れた場合には、ほとんどの人は左側に進むことを選択するということがわかっています。
そうした視点でいつも入っているお店を眺め直してみるとまた違った発見があるような気がしますね。
身近なところにも応用されている左回り
お店のレイアウトでよく使われている左回りの習慣ですが、他にも意外なところにこの心理が使われています。
例えば学校のグラウンドや体育館ではトラックを左側に向かって進むように設計をされています。
スケートのスピード競技など同じ場所をぐるぐる回るという用途で使用される会場のほとんどが、人が進行方向に対して左に曲がるということを意識せずに行うことがでるようになっています。
これは左右どちらに進んでもよいことになっているようなジョギングコースでもそうなっているようで、皇居周りなどどちらに進んでもよいコースであっても、ほとんどの人は左側に向かって進むという選択をしていることが調査でわかっています。
スポーツということでもう一つ言うと、スポーツ選手や日常的に運動する人につきものの怪我ですが、この捻挫や手足のひねりも圧倒的に左側にひねってしまうというケースが多いのだといいます。
整骨医やマッサージの仕事をしている人にたずねても姿勢の曲がりや怪我はかならずといってよいほど左側に向かってねじれを起こしていることが多いとのことです。
これは私たちの体の中にある内臓のうち、特に重みのある肝臓が右についているので自然にバランスをとろうとして左に体を傾けるということも関係しているようですがおもしろいですね。
ちょっと悪用してみるのもいいかも
人は無意識に左にあるものを意識するという心理があるなら、それを使ってちょっと悪用をしてみるというのもいいかもしれません。
例えば仕事などで二者択一を相手にしてもらう場面では、相手から見て左側に自分がおすすめしているものを置いてみるといったやり方です。
もしくは気になる人に自分のことを見てもらいなら、できるだけ相手から見て左側に立つようにするというのもまた注意を引くということでは有効になります。
使ってみたからといってただちに効果があるとは思えませんが、ちょっとしたおまじない程度に覚えておくとよいことがあるかもしれませんよ。